つくば緑友会

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2009年度 木材製品市場見学会へのご意見です。

《この市場見学会の様子はこちらから》
◇秋田県北部 40才 男性 国産材製材業者◇
私は大学で建築学科を出たものの、木材をほとんど知らずにいました。卒業後に木材市場会社に就職しましたが、大学時代の友人に「木材市場」を説明してもピンときてもらえませんでした。その当時からすでに「市売方式」の衰退が叫ばれていた時期ではありましたが、記念市のあの独特の活気には興奮を覚えたものです。
そして「こんな市場があるのなら、ぜひ一般の消費者に知らしめたい」と考えるようになりました。同じヒノキでも木曽、吉野、四国、北関東などなど、一同に比較できることは顧客満足度を得られるのではないのだろうかと。ある時、木材市場を一般消費者へ開放しようと、上司であった部長に訴えたとがあります。もちろん却下されました。
その後、仕事を知れば知るほど木材市場の閉鎖性に納得させられました。どうしたら消費者と買方を納得させることができるのか…、買方が動かなければ市場が動けない、市場から動いたら買方に疑われる…。

私は「立ち会いに消費者を入れる」ことについて賛成です。往時とは事情が違いますので、具体的にどうしたら良いのかはわかりません。ただ、人間は納得したものにおカネを払うものだと思います。顧客に感動を、買方にプライドを与えるストーリーが大切ではないかと、今でもそう思います。
◇広島県西部 男性 国産材製材業者◇
「木材市場とはこんなところですよ」という紹介の範囲ならけっこうですが、実際の競り売りの中に木材業者と消費者をいっしょに参加させることは反対です。築地市場のマグロ競り売りを、一般の観光客が排除されることとは異なりますが、生きて命のある木を、そして一本一本性格や素性の異なる木を、消費者は瞬時に判断して価格に転換できませんし、なによりも経営形態の異なる材木屋がその場にいることを思うと賛成ではありません。

それよりも、我国独自の木造軸組工法が「適材適所」という言葉を生んでいても、昨今のプレカット加工によりその長所を発揮できずに、耐震やらなにやら理解に苦しむ法規制によって木の家の真価を伝えられていません。我々は大工さんに「ノミ」と「カンナ」を取り戻させて、真壁工法の住まいこそが、木材の威力を発揮する住まいであることを知っていながら実行できない障害こそ、第一に取り除く運動が求められるのではないでしょうか。お施主さんは、丸太の段階で我々材木屋の誘導にうなずかされるだけであるように思えます。
一本の木材が持つ力を、それぞれに発揮させることを伝えるには、図面を見ながら番付の段階で見ていただくことが私は本筋だと思います。
◇東京都23区内 33才 男性 木材小売業者◇
「立ち会いに消費者を入れる」件について、私は賛成です。木材の適正価格や性質などが消費者に伝わり、たいせつに使っていただくことで、貴会の理念に結びつくものだと思います。
◇千葉県北部 50歳 男性 木材小売業者◇
この市場見学会並びに立会いの公開に、材木屋でありながら一般見学者として参加させていただきました。
今回の製品市場公開は、参加された消費者のほとんどの方が定例の勉強会に長期間出席されており、流通構造を含めてある程度木材への知識がありました。なおかつ、ご自身の家を造るためにはどうしたら良いかということを、様々な角度から真剣に考えておられる方が大半を占めていたと感じました。当然木材製品に対しての興味は、なんの下地もない方々に比べればかなりの差はあります。単純に考えれば、私たち木材販売業者の仕入れ価格を公開するわけですから「それはいかがなものか…?」と考える同業の皆さんが多数いらっしゃると思います。

たとえば、最近の天候不順による野菜価格の高騰や下落、そしてコメの価格の変動などなど、新聞報道等のメディアでは当たり前のように生産者卸売価格が公開されています。これは、その野菜やコメというものが生産者から市場仲買、卸売業者そして小売業者という一連の流通経路が、一般の消費者に理解されているということに他ありません。だからこそ「産地直送」という言葉も存在するわけです。

では「木材」はどうか? 家は「完成した商品として買うもの」で、造るものとして捉えている消費者がどの位の割合で存在しているのでしょうか? 現在の住宅工法では、木造住宅の根幹部材を成す木材が、完成された住宅ではまったくといっていいほど視界には映りません。長い年月を費やし、ようやく世に出た木材という商品を、最終消費者である家人になにひとつアピールすることができない、そんな場面が数多くあると思えてなりません。
私たち木材業者は、木材というものの情報をもっと世間に正しく伝え、家を建てようとする消費者が、自宅で使われる木材を自らの目で選定できる流れを作っていくべきではないかと考えます。多くの情報の中で、木材の流通過程も含めてどれだけの人間が一本の木材に関わって今目の前にあるのかが理解できれば、おのずとその価値観にも変化が生じるはずです。単に競り立ち会いの公開是非の議論より、それまでに至る日々の積み重ねがない限り、市場公開の議論はありえないと思います。
◇東京都23区内 59才 男性 木材小売業者◇
私が仕入れをする都内の木材市場では、通常の立ち会いはもう行われません。特別市でも一年に6回くらいになりました、その来場者数も50名くらいでしょうか。池袋にある市場では、今年あたりで問屋さんが撤退するでしょう。今後は問屋の人が荷物を集めて、組合へ卸すような形態になると思います。
市場問屋が撤退をすれば木材を集荷できませんし、また、現在の売上額では卸売業として経営が成り立ちません。この都内では、かなり末期的な状況になっています。それだけにできることはなんでも行い、受け皿のひとつになっていないと選択肢から外されてしまいます。ですから、条件が満たされれば行っても良いと思います。

先日私は「ナイス」の展示会へ行きました。その中には、床柱や産地別のヒノキの柱、スギの羽目板材などが展示してありました。「多摩産材」で建てた住まいなどもあり、そこにはやはり多摩産材の床材や壁材が使われていました。このような展示会で木材を展示することが増えていると思います。一般の消費者が木材に接する機会が少なくなっていますが、こういうところで木材を見ると「それを使ってみよう」という気持ちが強くなるのだと思います。その意味では展示会だけでなく、木材市場も消費者が自由に出入りできることは必要かもしれません。
私も二年に一度くらいは、製材工場などの工場見学をさせてもらいますが、行くことで頭に残るし、「実際に見た」という経験が仕事上の役に立ちます。一般の消費者も数多く見れば見るほど目は肥えますし、木材の良さを理解する助けになります。お施主さんや工務店さんが「希望すれば見学可能な場所」として、「ナイス」などの展示会を見て、さらにその先を要求されるのであれば、木材市場もその選択肢のひとつでしょう。

それよりも、現在特定の日に行っている行動。すなわち、浦安の市場であれば「工務店・設計事務所同行日」。都内の木材市場であれば年に一度行っている「市場開放日」。そういう活動が続けられるのであれば、その延長線上に位置付けるのが良いと感じます。貴会のように、毎月一回の定期勉強会があり、その枠を広げた「森林見学会」があり、さらにその先にある木材市場などで建築資材を見て、また実際に住まいを建てるようになれば、大工さんが木材を刻んでいるところや加工しているところも見せながら、住まい造りを進めていくと良いと思います。

森林に立っている「樹」から建築用資材になり、それが材木屋の作業小屋やプレカットの工場で柱や梁となって見える部材として加工され、実際に建てられて完成に及ぶという一連の過程を理解することができれば、お施主さんの感動は一段と高いところに達するはずだと思います。