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私も、そうした体験をするまでは、どこまで「木の効果」があるものなのか、正直言ってよく分かっていなかった。「木は良い」ということは、感覚的には理解していても、実感がないまま設計の打ち合わせの回数を重ねていたのが実際のところだ。
我が家では家の設計、施工の業者を選ぶ際、幾つかの業者に自分たちが希望する家の絵図面を渡してみた。雑誌の切抜きや、素人仕事で書いた間取り図などを張り合わせ、稚拙な資料を作った上で数社に概算の見積を依頼したのだ。その後、各社と打ち合わせてゆくなかで唯一肥田氏だけが、最後までその資料をたたき台にして根気よく付き合ってくれた。肥田氏の私たちに対する「このプランを、何とかして実現させてあげたい。」という気持ちがありがたかった。
そして、最後は打ち合わせの中で築いた信頼関係を頼りに、建築予算と理想の我が家とのバランスを取りながら、肥田氏の推奨する仕様である「木」をたくさん使った家を実現したのだ。
そうした体験のなかで、幾つか気が付いたことがある。何社かの建築業者と打ち合わせをしてみて、まず思ったのは、「どの業者も最終的に、自社で決めた基本プランの仕様に近づけようとする。」ということだ。
多くの場合「注文住宅」とは言うものの、一から家を立ち上げようとしてくれない。業者が持っている幾つかの基本設計に手を加える「アレンジ住宅」がほとんどで、それでも基本代金に結構高いアレンジ代金が乗り、とても予算が追いつかないことが多かった。
そして、もうひとつ感じたのは広告やモデルハウスなど、業者の打ち出すイメージ戦略に惑わされる危険があるということだ。どの業界でも同じことが言えるが、企業の宣伝の上手さと、業界先導の行政基準に消費者は翻ろうされることが多い。
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