| 建築主と共に造る“家” (Sさんの場合) その1 |
昨年の6月の昼下がり、何の前触れもなく、その人はフラリと我社を訪れた。B4版の書類を約20枚程携えて・・・。
丁度私は外出していたので、事務の安居が話を伺った。現在、首都圏に住んでおられるその方(以後:Sさん)は、永住の地を「つくば」に求め、自宅建設を任せる事が出来る業者さんを探しているとの事であった。当社を訪れた理由は、この稚拙なホームページをみて、興味を持って頂いたらしい。(ありがとうございます。それだけで充分HPを開設した甲斐がありました。)
後日また来社下さるとのSさんの言葉に、安居は「では、その資料をコピーさせて下さい」とお願いすると、Sさんは「イヤ、これは置いていきます。まだ、車に(同じものを)沢山積んでますから。」との言葉を残し、帰られたそうだ。(一体、何軒の業者さんを歩かれたのか? 未だに聞けない)
夕方、社に戻った私は、その出来事の報告を受けると共に、その資料に目を通して、驚かされた!。
そこには、
*Sさんご夫妻がこの資料を作成するに至る経緯・“住まい”に対する想い
*建設予定地の案内図(写真による南側隣地の日影図付き)
*初期段階・現段階においての内装イメージ(写真付き)
*御自分で考えられた平面図・立面図・配置図(2種類)
(玄人はだしとはこの事か?後日PCのペイントで作成したと聞かされ、更に驚愕!!)
などが書かれていた。
ここにその一部を引用させて頂く。
『私たちの家づくりに関する勉強が不十分なため、どのように住宅の建設を進めるのが良いか、はっきりと見えないのが現状です。何人かの経験者の方、また業者の方などに相談してみましたが、明確な方針が見えず、余計に不安が増すばかりでした。
そこで「自分たちは素人で、建築に関する常識などまったく知らないのだから」と開き直り、もしその素人のわがままが許されるのであれば、釘のような進め方で住宅の建設を行いたいと考えたのです。
○まず私たち自身で、ライフスタイルや使い勝手などを考慮した住宅のプランを作成する。
○そのプランを複数のプロの方に見ていただき、手直しなどを施した改良案あるいは、新しいプランをご提案いただく。(出来る限り無料範囲で。要相談)
○上項と同時に、それらのプランの概算見積もりをいただく。
○私たちのプランの受け取り方や、改良の内容などを考慮して、実際に住宅建築をお願いする方を決め、家づくりを進める。 |
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中略 |
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このような無茶な方針に賛同して下さる方が、いらっしゃれば幸いに思います。様々な経験のある方々に、お力をお借りして、私たちの理想の生活空間を実現させたいと思っておりますので、何卒ご協力いただけますよう宜しくお願い致します。』
(原文のまま)
私は常々「住宅にはそこに住む人の個性が出る」と考えている。だが、「予算は幾等。欲しい部屋は何部屋」程度の希望は殆どの方が持っていても、「こんな生活をしたい。だから“我が家”はこう造りたい(あくまでも予算の範囲内で)」という“こだわり”を持つ方に巡り会えるのは、数少ない。殆どの方が、その建物に自らの生活を合わせている。(造る側から言えば、こだわりが少ない方がプランニングも施工も当然楽である)
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Sさんが置いていかれた資料に目を通し進めていくうちに、「この人の“住まい”を具現化出来るのは自分しかいない!」思い込みの激しい私の中に使命感に似た気持ちが沸々と湧いてきた。
Sさんが描かれた平面図に改良を加えた方が良くなると思われた箇所が幾つかあったので、その日のうちにFAXした。
これが、Sさんと私の“家造り”のプロローグであった。
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| 2003.Mar.23 |
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